不安、焦り、迷い、緊張の時代

現代の社会は、個々人が自立して「自由」に生きていくことが求められる一方で、生きる指針がなく、人とのつながりもつくりにくくなっています。

そのため「自由」は重荷となり、多くの人は社会生活で葛藤し、不安、焦り、迷い、緊張などの問題を抱えます。

社会が豊かになり、自由な生き方ができるようになった反面、心の問題を抱えてしまうのが現代人の特徴です。

このような問題は、乗り越える方法があります。

身体というベースから整える

まずは心と深く結びついている身体というベースから整えることが大事です。

身体の内面(自律神経など)が乱れれば、心も揺れ動きやすくなり、感情が乱れたりイライラしやすく、ちょっとした小さなことでも深く悩んでしまいがちです。

また、姿勢や動きに問題があれば、身体が緊張しやすく、心までリラックスできなくなります。

そのため、心を整えるためにまずは身体から整えること、身体からリラックスすることが重要です。

自分の本心と社会的につくられた考え方・価値観を区別する

人間の心は考え方・価値観から影響します。そして、その考え方・価値観は社会的につくられるもので、個性として生まれつき備わっているものではありません。

そのため、自分の心を整えるためには、これまでに身につけてしまった余計な考え方・価値観を自覚し、場合によっては手放していく必要があります。

彫刻のように余計な部分を削り出していくことで、自分の本心、本当の望み、本当の課題がクリアになり、自己理解できるようになります。

自分の本当の望み、課題を知る

本心を自覚することは、同時に自分の本当の望みを知ることになります。それはしばしば、子どもっぽく、わがままな考えであるものです。

しかし、その本当の望みを抑圧すると自分の本心が分からず、自分軸で「自由」な時代を生きていくことができず、社会に流され苦しみやすいです。 そのため、受け入れがたくても、まずは「望み」を受け入れることが大事です。

この「望み」を自覚することで、自分の人生における本当の課題が明らかになり、自分の生きる道が分かり、よりよく生きるオリジナルな人生が見えてきます。

人間としての「成熟」を学ぶ

本心を自覚した上で、人間としての成熟を目指すことが大事です。 しかし人間は本来、年齢に応じて精神的に成熟していくことで精神的に安定しますが、現代ではそれが難しくなっています。

伝統的な「成熟」の価値観(道徳、宗教、伝統的な規範)が崩れた一方で、現代社会に適した「成熟」の価値観は、いまだ形成されていないからです。

しかし、自分の力で「成熟」を目指すことは可能です。そのためには、人類の歴史における精神の発展のプロセスから、その歴史を自分でもたどるように学ぶことが必要です。

人間が抱える本質的な矛盾を知る

人間は本質的に矛盾を抱えた存在であり、その本質的な矛盾からは逃れられません。

本質的な矛盾には「世界の無限性と人間の認識の有限性」「人生の根本的な偶然性と自由意志」「人間の存在の個人性と社会性」などがあります。 ※詳しくは別の機会に解説します。

これらの矛盾からは逃れられないため、よりよく生きるためにはこの矛盾を理解し、うまく人生に取り込んでいくことが大事です。

矛盾が分からないと余計な努力をして苦しみますが、矛盾が分かればやるべきことが明らかになります。

自由にできるのは「自分の心」だけ

あらゆる悩みや感情の揺れ、生きづらさの根っこには主観と現実の混同があります。

現実をありのままに捉え「自由になるのは自分の心だけ」だと理解し、心を自由にする方法を身につけることで、あらゆる悩みは解決に向かいます。

心を自由にする方法は、古代ギリシア以降の西洋哲学の中でも、アジアにおける仏教から日本の禅の中でも深められてきました。これらの文化から正しく学び取り、技術として身につけることでよりよく生きられるようになります。

正しい知識と方法論で、心の安定や悩みの解決は誰にでも可能

悩みやすい人、不安になりやすい人、緊張しがちな人は内面に豊かな世界を持っているものです。心の安定や悩みの解決を「技術」として身につけることで、この内面の豊かさという個性を活かして生きていくことができます。

また、正しい方法を知ることで、自分の内面を掘り下げ、自分を冒険することが生きがいになります。

不安や悩みや必ずしも悪いものではありません。そこに使っているエネルギーを生きる力として前向きに使う方法をお伝えします。