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自然体をつくる習慣

自然体をつくる習慣

「自然体の学校」では、施術やトレーニング、セルフ整体・神経ケアなどを通じて「自然体」へと心身を整えることを目指しています。

自然体とは、人間が本来もつ回復力・生命力が発揮される、整ってリラックスした身体の状態です。

このような身体の状態をつくることで、不調を予防し快適に生活できるようになります。

今回は、理想的な心身の状態をつくるためにおすすめしたい「自然体をつくるための習慣」を解説します。

特定の健康習慣より、24時間の過ごし方を変えよう

一般的には身体の状態を整えるために「栄養のバランス」「睡眠のとり方」「運動習慣」などが言及されることが多いですが、このような習慣はあくまで個別に説かれることが多く、多くの人は「いいと思ったものを自分なりに取り入れる」くらいの行動しかしてないと思われます。

また、健康習慣を取り入れるのはあくまで生活の一部であり、それ以外の時間は座りっぱなし、スマホをずっと見ている、悪い姿勢で仕事をしている、といった状態になっていることも多いです。

しかし、よく考えてみてください。

たとえ毎日運動しているとしても、1日のうち1時間、2時間程度ではないでしょうか。

また、毎週整体やマッサージに行っているとしても、それは週の144時間のうちの1時間程度でしょう。

1日のうちの23時間や、週のうちの143時間の過ごし方が悪ければ、身体を整える上で微々たる影響しかありません。

日ごろの24時間の過ごし方を変えなければ、大きく心身の状態を変えることはできません。

仏教の修行では、日ごろのあらゆる行為のことを「行住坐臥」といいます。

修行ほど徹底する必要はなくとも、心身をよりよい状態に変えていくには、行住坐臥の意識や行動を変えることが大事なのです。

自然体をつくる習慣

緊張・不安・疲れ・ストレスのない快適な心身をつくる上で、日ごろから意識すべきことをまとめたのが下記のイラストです。

それぞれ簡単に説明します。

体を感じる(実在感)

まず、体を感じることが重要です。

これを私は実在感と表現していますが、深部感覚、内受容感覚ともいわれるものです。

そもそも、多くの現代人は身体を使う活動の質・量がともに大きく減っているため、体の感覚が弱く、逆に思考や言語・コミュニケーションなどの活動が多く、脳内の活動に意識が向きすぎています。

体、特に体幹を多様に動かし、背骨、骨盤・股関節、肋骨、肩甲骨などの意識を高めていくと、体をより色濃く感じられるようになります。

体を感じられると、イライラ、不安、緊張、モヤモヤ、妄想、悩み続ける、といったことが減り、思考・感情に流されることが減っていきます。

地面を感じる

緊張・不安といったメンタル的な問題にも、より楽で自然な姿勢・動きをするためにも、地面を感じられることは重要です。

地面を感じるには、立っているときは足、座っているときはお尻などの感覚が使えていることが必要です。

普段から分厚い靴や靴下をはいている、座布団や柔らかいイスに座っている、姿勢が悪く体の重さが適切に足裏・お尻などに乗っていない、といった場合は、だんだん体の感覚が弱くなってしまいます。

その結果「地に足つけている」という感覚がなく、気づかないうちに体が不安定で、緊張しやすくなっている場合があります。

そのため、立っているときはしっかり足裏にかかる体重の圧や、どこの部位に体重が乗っているか、地面の凹凸や感触はどうか、足指はどうなっているか、などをしっかり感じることが大事です。

座っているときは、左右の坐骨に均等に体重が乗っているか、どのような角度で体重がかかっているか、などを感じます。

感じる練習を繰り返すと、感じる力が高まり、地面とのつながりが分かるようになります。

軸をつくりリラックス

「地面を感じる」と関連するのが、軸をつくることです。

人間の体は本来、重力に対してもっともリラックスして姿勢を維持できるポジションがあります。

これは、体の各部位(とくに頭、体幹、脚)の重さがまっすぐそろって地面に落ち、地面からまっすぐ反発(反力)が返ってくる状態です。

体の重さが落ちるラインと、地面からの反発が返ってくるラインが重なり、これが「軸」となります。

体軸、正中線、センターラインなどともいわれるものです。昔から優れた身体感覚を持つ人はこの軸を言語化しており、たとえば宮本武蔵も『五輪書』に記述しています。

軸ができると、余計な筋力を使って体を支えなくてすみます。

最小限の力で姿勢を維持できるため、いつもリラックスし疲れにくい体になるのです。

特別な身体感覚というわけではなく、誰でも練習すると分かるようになるものです。

呼吸をゆっくり

人間の「代謝」という生きることの根本的な能力をつかさどっているのが自律神経です。

自律神経は、意思によってコントロールしているわけではないため、通常は自分で働きを変えることはできません。

しかし、呼吸をコントロールすると間接的に自律神経を整えることができます。

呼吸を早く、荒く、強くすれば交感神経が興奮し、活動、運動に向いた体の状態になります。この状態では、血圧が上がり、筋肉が緊張し、心拍数が上がり、精神的にも興奮状態になります。逆に消化器の働きは落ちます。

呼吸をゆっくり、深く行えば副交感神経が興奮します。この状態では血圧、心拍数が下がり、筋肉がリラックスし、精神的にも落ち着きます。また胃腸の働きは向上します。そのため、たとえばお腹が動いている感じやお腹が鳴るときは、副交感神経が働いているといえます。

呼吸を落ち着けると、精神的な安定だけでなく、体を休息・回復モードにすることができます。

休息・回復モードをしっかりとれると、内臓の不調や病気にもなりにくくなります。

日ごろから気持ちを落ち着け、リラックスし、頭を瞑想状態にするためにも、呼吸を意識してゆっくり、深く行うことが大事です。

頭の中を静かに(瞑想)

現代社会の生活は、ますます思考・言語的活動が中心になっています。

このような活動は、脳における「新しい脳」といわれる人類が発達させた部位を中心に使います。

一方、人間には「古い脳」といわれる部分もあり、この部分が生存の根幹の働きを支えています。

そのため思考・言語的活動だけでなく「古い脳」といわれる部分もしっかり使い、活性化させることが大事です。

そのためには体を使った活動も大事ですし、瞑想によって頭の中を静かにし、特に一人で過ごしているときに余計な思考をしないことが大事です。

人間は一人で過ごしているとき「頭の中の独り言」「脳のおしゃべり」といわれるような思考をしがちです。脳が勝手に思考を進め、いわば連想ゲーム的に悩みや問題をつくり出してしまうこともあります。

そのため、他人から見ればどうでもいいことに悩んだり、いわれてもない悪口を想像したり、考えても解決しない他人からの評価に悩んだりしてしまうものです。

このような脳の過活動は心の平穏を乱します。心が乱れれば自律神経は交感神経の興奮状態になり、闘争・逃走モードといわれる状態になります。

これが続けば体の緊張からこりや痛みが生まれ、怒りっぽくなり、代謝による体の回復が不十分になることから、病気にもなりやすくなります。

したがって瞑想によって思考をコントロールし、頭の中を落ち着けておくことはとても大事なのです。

体を正しく使う

最後に、体を機能的に正しく使うこともとても大事です。

たとえば、股関節の位置が本来の場所からずれていると、体重がまっすぐ股関節に乗らずに体が常に不安定な状態になります。このような股関節の問題は、実は多くの人が抱えています(特に骨格の関係上、日本人女性に多いといわれています)。

このような骨格のズレは、他にも足首にある距骨、足裏のアーチの崩れ、膝のねじれ(脛骨に体重が乗らない)、骨盤、背骨のカーブの崩れ、首のポジションのズレ、など多くあります。

骨格のズレが多いと、体はバランスと取るために体を緊張させます。

これは、私がいつも「綱渡り状態」「スケートリンクの上」と呼んでいる状態で、バランスを取るために重心を下げ、防御姿勢を取り、体を緊張させる状態になります。

これでは精神的にも緊張・不安を抱えるのは当然です。

また、このような状態で運動すれば、体を傷めやすくなります。

したがって、骨格の歪みを正し、体を正しく使えるようにすることは、身体的にも精神的にもとても重要なのです。

日ごろの意識で心身を整えられる

日ごろから意識するべき6つのことを紹介しました。

ここで紹介したことは、毎日の生活の中でできるだけ意識を続けることをおすすめします。

習慣が変わるとライフスタイルが変わり、自然に心身がよりよい状態へと変化していきます。

心身をよりよく「する」というよりも、自然といい状態に「なる」という変化が訪れます。

そしてよいライフスタイルができれば、坂をボールが転がるように、さまざまなことがよりよい状態へと展開していきます。

ぜひ今回紹介している習慣を、少しずつ覚えて意識を続けてみてください。

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