自然体をつくる

自然体をつくるワーク

自然体の学校では、一生楽しみながら身体機能を高め、心身の健康のベースをつくることをコンセプトにしています。

これは「健康のため」「怪我や病気をしないため」と義務感を持って身体をケアする態度とは真逆のスタンスで、身体性を深めること、身体知を高めること自体を楽しむという生き方の提案です。

もちろん、身体の不調を改善し、健康になるのは大前提ですが、その上で「楽しんで自分の身体を深めていく」プログラムを提供しています。

この6ステップのワークを通じて、誰もが健康になり、身体機能を高め、自分の身体を探求することを楽しんでいけるようになります。

①身体感覚を取り戻す

現代人の多くは、生活が人間本来の自然なものからかけ離れてしまっているため、身体のセンサーである感覚が衰えています。

衰えたセンサーのまま運動しても、間違った姿勢、動きをして関節や筋肉を傷めたり、効率の悪い動きを癖にしたりする可能性が高いです。

センサーが鋭敏なら、自然に姿勢や動きもよりよいものに自己調整されます。 そのため、最初のステップでは、センサーとしての感覚器官と感じる力を取り戻すためのワークを中心に行います。

②自己調整能力を高める

多くの現代人は、自律神経による身体の内面の調整機能が乱れ、血液やリンパの循環が悪くなっています。それがあらゆる内面の不調や疲労感、活力のなさの原因になります。

そのため次のステップとして、自律神経の波や内面の循環を改善し、自己調整能力・回復力を高めるワークを行います。

内面を整えることで心身の健康の土台がつくられ、またこれ以降のステップを行う準備にもなります。

③身体のバランスを整える

ここまでのステップを経てはじめて、身体の歪みを改善しバランスを整える効果が出ます。①、②のステップなしにバランスだけを整えても、すぐに元に戻り不調の原因は改善されません。

3ステップ目でバランスを整えることで、身体の歪みを改善し、不調になりにくい身体をつくります。

また、インナーマッスルで身体を支えられるようになることで、内面から健康になり疲れにくくなり、快適に日常生活を送れるようになります。

④身体運用力を高める

現代の多くの人は、身体の使い方の効率が悪く、筋力に頼りすぎて傷めやすい動きになっています。

そこでこのステップでは、より効率的に、筋力の強さに頼らずにさまざまな動きができるように、身体運用力を高めるワークを中心に行います。

本来、人間は自分の筋力だけでなく、自分の身体の重さを使った重心移動や、地面からの反力、伸ばされた筋力が反射的につくる張力などを使って楽に動くことができます。

多くの人はこの身体機能をうまく使えなくなっているため、これらの力を高めることで身体運用力を取り戻し、正しくかつ楽な動きを身につけます。

ここまでのワークで十分に身体を整え、身体機能を高めることができます。

しかしこの上には、さらに身体の感覚を磨き、身体機能を高めて、より快適に身体を使える状態まで高めるプログラムもあります。長期的に取り組む方は、この次のステップに進むことができます。

自然体の学校のコンセプトは「一生かけて自分の心身を探求し、心身を深める生き方」です。

そのため、ぜひ多くの方にこの次のステップまで進んで、身体を深める楽しさを味わっていただきたいです。

⑤体幹機能を高める

現代人は、体幹の機能が衰えています。 具体的には、背骨、肋骨、股関節、肩甲骨などが動きにくく、周辺の筋肉の働きも悪くなっています。

その結果、呼吸の浅さ、身体全体の緊張、こり、腰痛や五十肩の原因などをつくってしまっています。

④までのステップでも、これらの機能を改善する効果はありますが、⑤のステップでは、体幹機能を高めることをより集中的に行います。 しなやかな野生動物のような体幹を目指してワークを行います。

⑥進化の過程をたどり返す

人間はみな、赤ちゃんのころから成長するに従って発達の過程をたどり、身体機能を獲得します。これが寝返りやハイハイです。

大人も身体機能をより高めるために、進化の過程を魚類から両生類、四つ足哺乳類、猿、そしてヒトへとたどり返すことが重要です。

このように進化の過程をたどり返すワークを深め、続けることで、身体のバランスを常に保ちつつ身体機能や身体知をより高めていくことができます。

自然体をつくるワークの特徴

6つのステップを組み合わせて行う

ここまで説明したように、自然体の学校での身体のワークは、原則的には6つのステップを登っていくように行います。

しかし、6つのステップが完全に独立しているわけではなく、初心者には①~④の内容を組み合わせて行い、上級者には⑤~⑥を中心に行うのが一般的です。最初の段階では、①の感覚を鍛えるワークを中心にして行いつつ、徐々に②の自己調整能力のワークを取り入れる。それらがある程度できるようになったら、③や④のセルフ整体的な内容や、身体運用力を高めるワークも取り入れる、といった形になります。

実際には、個々人の身体の状態や、プログラムの進度次第で行う内容を変えていくということです。

運動が苦手な人でも大丈夫

運動が苦手な人、普段運動をしてない人にこそ、自然体をつくるワークをおすすめします。

人間は複雑に多様に動くように進化してきたため、現代人の運動しない生活では身体機能が衰え、それがさまざまな心身の不調の原因になるからです。

自然体をつくるワークは、このような現代人特有の不調を改善することも目的として構成していますので、運動が苦手な人、運動習慣がない人に向いています。

身体を深める楽しさを味わおう

冒頭でも書いたように、自然体をつくるワークは、一生楽しみながら身体機能を高め、心身の健康のベースをつくることをコンセプトにしています。

そのため、義務感を持って単なる健康のために行うのではなく、ぜひ身体を深めること、身体が変化することを楽しみながら行っていただきたいです。

さらにいえば、自分の身体に手間や時間をかけて、身体性・身体知を磨くことを中心とした生き方へと変えていくことを提案します。

現代人的な、人間としての自然なあり方から離れたライフスタイルでは、心身に不調を抱え生きづらくなっていくのは当然のことです。

そのため、考え方や心の在り方、生き方自体を変えていくことが、心身の健康や、よりよい生き方を実践するための根本的なアプローチなのです。

流行を追った消費的な生活やネットばかり見ている生活では、深いところから満たされることはできません。

しかし、自分の心身のことをより深く理解し、心身を磨いていく生き方は、深い幸福を持続的に与えてくれます。

ぜひあなたも、自分の心身を探求する生き方を実践してみてください。

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